教師と生徒は〈敵〉である

諏訪哲ニ / 洋泉社 / 99/11/26

★★★★★

時事的なトピックを扱った評論集

 自伝的な要素のあった『学校はなぜ壊れたか』とは違って、時事的なトピックに言及している評論集。「敵」とはまた扇情的な言葉で、本書の中ではそこまでは言っていないように思う。

 第三章の「教師と生徒の関係は本質的に「暴力的」なものである」では、所沢高校の問題が取り上げられている(『所沢高校の730日』も参照)。著者は、生徒との非対称的な関係を崩した所沢高校の教師たちに批判的なのだが、これはむしろ著者が提起しているジャパン・ローカルなあり方の1つの例と考えてよいのではないんだろうか? これがうまく行くかどうかはわからないし、もちろん公立高校すべてがこのような仕組みになったらそれも困るわけだけれども、実験の1つとして、公立学校にバラエティを持たせるという意味でも、このような高校があるのは悪いことではないと思う(まあ、その高校に通う当の学生たちは大変だとは思う)。しかしいざそう考えたときに、これが「うまく」行っているかどうかの判断基準はきわめて難しい。結局、同じ偏差値範囲にある他の高校と比べたときの、有名大学への進学率ぐらいしか基準はないということになるのか?

1999/12/6

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