闇の男 上祐史浩

終らないオウム真理教

有田芳生 / 同時代社 / 99/12/10

★★

アイドル関連本

 いまとなっては信じられないことかもしれないが、有田芳生という人は、昔は、統一教会を扱う硬派のジャーナリストだったのである。まことにオウム真理教という問題は、いろんな人にとっての試金石となった。

 この本は、1999年12月の上祐史浩の釈放に時期をあわせたアイドル関連本とでもいうべきもので、第1章は著者が上祐史浩とどれだけ親しいかということの宣伝である。しかし残念なことに「それほど」は親しくないらしく、残りのほとんどはオウム真理教一般に関する雑然としたエッセイ集だった。浅見定雄に対する「カルト集団とマインドコントロール」というインタビューが付いている。そういえば浅見定雄も昔は硬派だったのだ(まあこちらの方は一貫した硬派性を保っていると言えるかもしれない)。巻末には関連資料として、いくつかの文書が収められている。

 著者は、オウムが依然として破壊的カルトとして危険であるとみなす立場から、一般にソフト路線と考えられている上祐史浩が、実際にはオウム内で行われたいくつかの犯罪行為に関与していると指摘している。断言されてはいないが、警察/検察との間で行われた暗黙の裏取引を示唆する状況証拠といえそうなものも記されている。

1999/12/20

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ