カトリックとプロテスタント

どこが同じで、どこが違うか

徳善義和、百瀬文晃 / 教文館 / 98/11/02

★★★

ちょっと思っていたのとは違って、論争的な本ではなかった

 帯にはこのような文句がある。

7年の歳月をかけ、カトリックとプロテスタントの神学者が共同執筆。一字一句検討を加え、お互いの共通点を確認し、相違点の克服を目指した画期的な書!

 これは思っていたような論争的な内容ではなく、見解の違いを扱っている部分も、神学上の対立よりは実務上の違い(聖職者の呼称とか儀式のやり方など)がほとんどだった。これは、カトリックとプロテスタントの両方の信者に向けられた、融合のための呼び水という性格を持っている本なのだろう。部外者にとってはいくぶん退屈だった。突拍子もない連想かもしれないが、『金魂巻』みたいな、なんというか「トレンド・ウォッチャー」の書くマニュアル本を思い出した。「丸の内のOLのファッション」とか「シブヤ系女子高生」とかがイラスト付きで解説されているやつね。

 まあしかしこれは真剣な本なのであって、全世界的なトレンドであるエキュメニカル(世界教会一致)運動の流れに位置づけられた具体的な成果というべきなのだろう。巻末の座談会では、最近では他の教会の人との結婚やキリスト者でない人との結婚も許されるようになりましてなあ、みたいな、ちょっとばかし時代錯誤的にも思える話がいたって真面目に語られている。

2000/1/30

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