レインボー・シックス

Rainbow Six

トム・クランシー / 新潮社 / 00/01/01

★★★

これはけっこう面白い

 トム・クランシーのジョン・クラークもの。イギリスに本拠を置く対テロ組織「レインボー」の長官に就任したジョン・クラークが、アメリカの環境保護過激派の企てる人類殲滅計画(もちろん自分たちだけは生き残る積もりなんだが)を阻止するという話。相変わらずクランシーは政治バカだが、ジョン・クラークものであるためその部分の鬱陶しさが軽減されており、全体として面白い読み物になっていた。いままでのクランシーの中で最高の出来なんじゃないかと思ったほどだ。

 ちなみに、構成は破綻している。「レインボー」はヨーロッパで4件のテロ活動に対処するのだが、そこでの活躍がなかなか面白いのに対し、物語の核となる環境保護過激派との対決がほとんど弱いものいじめなのだ。ただでさえも軍事的センスのない相手なのに、人間の心臓の鼓動をキャッチして所在を知るという新兵器を使って、一方的に殺戮を行う。しかもブラジルで非合法的に。人類を殲滅しようとした悪い奴が受けてとうぜんの報いだ、という理由づけがなされているが、それまでのテロを憎む正義の味方のニュアンスと整合性がないように思えてしょうがない。まあクランシーだからしょうがないが。

 元KGBのスパイの役回りにクランシーとは思えない「知的」な味わいがあって驚いた。

2000/2/18

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