棚から哲学

土屋賢ニ / 文藝春秋 / 2000/02/20

★★★

週刊文春に連載されたエッセイの第2弾

 『ツチヤの軽はずみ』に続く、『週刊文春』の連載コラムをまとめたエッセイ集の第2弾。1998年3月から1999年7月までのものをまとめたもの。

 相変わらず面白さの逓減の具合がはなはだしいが、ルーチンのこなし方に慣れが生じてきているようにも思える。ついに昔の遠藤周作とか北杜夫とかの「ユーモア・エッセイ」の仲間入りを果たしたのかもしれない。ふと、小田嶋隆を思い出した。

 小田嶋隆とも共通することなのだが。著者本人が「おかしい」あるいは「奇妙だ」と思ったようなことを題材として取り上げ、それに対して逆説的なアプローチをとって「面白く」するという手法のエッセイでは、題材の取り上げ方とそのアプローチに著者本人の教養のレベルがもろに出る。で、本人は逆をとった積もりでも、その実は正統的なことを、さもおかしいことのように語られると非常に困るのである。他にもビートたけしとか上岡竜之介とか大竹まこととか。

 相手をそのように困らせることを怖れる人のなかには、「正統的なことを真面目に語る」か、「非正統的なことを不真面目に語る」という態度を取り、単なるバカと見分けがつかないようにする人がいる。これもまた傍から見ていると痛々しいものだが、芸人としての迫力はある。

2000/2/26

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