日本の司法文化

佐々木知子 / 文藝春秋 / 00/02/20

★★★★

ばりばりの体制派による日本の司法文化の擁護

 著者は元検事の参議院議員。ばりばりの体制派の立場から、日本の司法文化がいかに素晴らしいものであるかを力説している本。日本の警察は有能かつ高潔であり、有罪率が高いのは検察が厳密な仕事をしているからであり、陪審員制度は日本になじまず、死刑は必要で、外国人犯罪者は徹底的にやっつけろ、という感じ。日本の司法には、「若い者がなっとらん」ということ以外には何の問題ないように見える。

 元検事の手による本としては、最近では『ざこ検事の事件簿』というのを読んだが、あれよりもこちらの方が偉い人であるだけに、弁護の言葉にも迷いがない。イスラム諸国とか南米諸国などの司法後進国の例を挙げて日本の良さを論じるという戦略はなかなか目のつけどころが良いと思わざるをえなかった。そりゃたしかに日本には手足を切り落とす刑罰もないし、裁判官の暗殺もない。

2000/2/26

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