嘘をつく記憶

目撃・自白・証言のメカニズム

菊野春雄 / 講談社 / 00/01/10

★★★★

非常に地味だが、網羅的な入門書

 著者は認知発達心理学を専門とする心理学者。本書の冒頭にも記されているが、『目撃者の証言』のエリザベス・ロフタスの研究が与えた影響は大きかったようで、あれ以来、目撃証言研究が隆盛を誇るようになっているという。本書は、この分野でのロフタス以降の成果を広範囲にわたって紹介する入門書。内容は非常に地味で、いい意味で「常識的」なものなのだが、一定レベルの知識を得るのには有用だろう。

 ロフタスの研究は、「目撃記憶が不正確になりうる」ということに焦点を当てたものだったが、それ以来、実践での利用も視野に入れた、目撃証言のポジティブな利用方法に焦点を当てた研究が数多く行われているという。しかし、こうした研究の知見が実際の捜査の現場に適用されるのは、まだまだ先のことなんだろう。

2000/2/26

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ