韓国併合への道

呉善花 / 文藝春秋 / 00/01/20

★★★★

これはなるほど面白いかも

 『スカートの風』などの呉善花の本。以下、「はじめに」からの抜粋。

韓国併合へといたる道は朝鮮近代敗北の歴史を意味する。なぜ敗北したのか、その自らの側の要因と責任の所在を真摯に抉りだす作業が、韓国ではいまだになされていない。戦後の韓国で徹底的になされてきたことは、「日帝三六年」の支配をもたらした「加害者」としての日本糾弾以外にはなかったのである。本書は、日本に併合されるような事態を招いた韓国側の要因を、その国家体質・民族体質を踏まえながら、歴史的な事件とその経緯のなかから究明していこうというものである。

 まあ著者が著者であるからいくぶん割り引いて聞かなくてはならないけれども、韓国併合へといたる一連の事態の推移についての記述が興味深い本だった。このような近世/近代史の再評価には、沖縄と通じるところがあって面白い(『沖縄の自己検証』『考古学からみた琉球史』などを参照)。

 呉善花は、自らの体験をベースにしたエッセイから、この手の話題に仕事の幅を広げつつあるようだ。『攘夷の韓国 開国の日本』はちょっといただけなかったが、本書は十分に歴史啓蒙書としての水準をクリアしているように思った。しかし、こういう本は日本ではなく韓国で出さないと意味がないんじゃないの?

2000/3/18

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