坂上忍の麻雀兵法

勝率八割の極意

坂上忍 / ポケットブック社 / 98/05/05

★★★

すでに心は老人か

 「芸能人麻雀最強位」の俳優、坂上忍が書いた麻雀入門書。この坂上忍という人は、とんでもない名作『ションベン・ライダー』に出たときから気になっていたのだが、そういえば名前を聞くのはあれ以来だろうか。フジテレビの「われめDEポン」という麻雀番組に3回出て3回優勝した、らしい。

 文章とか、ときどき吐露される心情とかに共感を抱くかどうかは別にして、この人はちゃんと考えて麻雀を打っているということがよくわかる本だった。たしかに強そうだ。だがしかし、何というかMBA的であるというか、やけに健全である。『麻雀で食え』のときも思ったのだが、こういう明快さと健全さは、旧世代の人から見ると「趣に欠ける」ということになるのだろうか。それは別に、これらの本の著者が本質的に明快で健全であるというわけではなくて、いやむしろどちらも何というか無鉄砲な、やくざな気質であるという印象をまとわりつかせ、またそれを商売の道具にしているようなのだが、こういう麻雀の本を書くと、明快に説明したくなるという力学が働くようなのだ。皮肉なことだが、これに比べると井出洋介の方が、ミクロなことばかりいっていて、かえってグローバルな点での明快さに欠けるという印象がある。

1998/5/5

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