自自公を批判する

政教分離原論

白川勝彦 / 花伝社 / 00/03/01

★★★★★

熱い本

 著者は「戦うリベラル」を信条とする自民党代議士。本書は著者のwebサイト、『自自公連立を批判する』に掲載された文章群をもとに作られたもの。序文にいきなり「ホーム・ページ」ではなく「webサイト」という呼称が正しいんだという注釈が書かれていて感動したが(いやほんと、55歳の政治家の言うことにしてはきわめて唐突)、巻末の掲示板から転載された文章の1つから察するに、webmasterをまっとうな人がやっているということのようだ。

 著者の政治理念に賛同するかどうかは人それぞれにしても、いまこの人はあらゆる人の注目を集めるべき境遇にいる。政教分離の立場から公明党との連立批判をやっていることだけでなく、それをやったおかげで、やたら怪しげな攻撃を受けている最中からだ。その攻撃とは、秘書による交通違反もみ消し疑惑、ごく最近では裏口入学疑惑なるものも出てきた。このあたりの経緯は上記のwebサイトに記されているが、宮崎学のサイトにも、側面からの擁護であるだけに挑戦的な文章がある。

 この一連の事件の最も悲惨なところは、普通のミステリ小説とかサスペンス映画ならば、すでに白川勝彦の名誉が回復されていてもおかしくないのにそうなっていないということだ。普通のサスペンス映画で、窮地に追い詰められた主人公が必死の思いで陰謀の証拠となる文書を入手し、それをいくつもの新聞社に郵送し、悪者が呆然とし、ヒーローとヒロインがキスをし、音楽が流れ始めてクレジット・タイトルが始まり、画面はフェイドアウトする。そのあとで、その文書を受け取った新聞社すべてがネタを握り潰したので、主人公たちの名誉は回復されなかった、というオチがつくみたいな経緯なのだ。いやほんと、現実は映画のようには行かないとはこのことか。

 著者が、こういう攻撃があることを予測し、それに対する反論を掲載する場としてwebサイトを立ち上げたのだとしたら、きわめてクレバーなやり方だと思う。問題は、やっぱり実社会に与える効果という点では弱いということか。

2000/5/14

 2000年6月の衆議院選挙では、自民党の公認を受けられず落選。選挙区内の公明党員/創価学会員が対立候補の民主党候補者に投票したとされる。今後も頑張っていただきたい。

 なお、『代議士のつくられ方』は、一緒に連立批判を行った平沢勝栄の1996年の総選挙のときの選挙活動の様子を描いている。どうしても連立を批判しなくてはならない理由の一端がわかって面白い。

2000/7/21

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