グローバリズムという妄想

False Dawn: The Delusions of Global Capitalism

ジョン・グレイ / 日本経済新聞社 / 99/06/25

★★★★★

痛烈な批判

 グローバリゼーション批判本。著者はヨーロッパ思想史を専門とするLSEの教授。

 これまで読んだ類書の中では一番痛烈な政治的批判のように思う。ヨーロッパ思想史を専門とするだけあってかなりのアメリカ嫌いで、鵜呑みにするわけにはいかないにせよ、論争的な本として一級品だった。屁理屈が上手だというか、ヨーロッパ型知性のねちっこさというか。こういうのを読むと、アメリカの左翼による『グローバル経済が世界を破壊する』の素直さが好ましく思えてくる。

 基本的な主張だけを取り出せば、次のような感じになるだろうか。1) 自由市場というものは、決して自然なものではなく、政府のさまざまな介入に裏づけられた人工的な環境である。2) アメリカは啓蒙思想の国であり、現在では、アメリカ(とその他のいくつかの国)にのみ存在している自由市場を全世界に普及させることが啓蒙運動のゴールとなっている。3) レッセ・フェールはいろいろとまずい結果を社会に引き起こす。

2000/6/9

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