犯罪捜査官

Slicky Boys

マーティン・リモン / 講談社 / 00/05/15

★★★★

なかなか軽快な本

 1970年代の韓国を舞台にし、駐留米軍の陸軍犯罪捜査局(CID)捜査官の2人組を主人公とする、軽い調子のミステリ小説。米軍兵士としてソウルで10年を過ごした著者自身の体験が存分に活かされていると思われる。著者はこれが2作目。同じコンビを主人公とする1作目の"Jade Lady Burning"の続篇らしい。

 『リーサル・ウェポン』シリーズを連想させる、能天気な2人組のハチャメチャな活躍という感じの小説で、舞台を1970年代の韓国にしているから、少々の乱暴な行いも許されるというわけ。これがしかし結構快調な進行で、『リーサル・ウェポン』もこれぐらい面白かったらよいのに、と思った。この手の本には珍しく、「気の利いたセリフ」の中に、本当に気が利いていると思ってしまうようなものもいくつかある。知りたいのは、これを韓国人が読んだらどう思うかということだ。著者はヒスパニックを主人公に持ってくることで、人種差別的な要素を薄めようとしているようだが(著者本人もヒスパニック)、韓国人がこれを読んだら、そんなことじゃ許さないんじゃないかと思う。

 このシリーズが続くかぎり、これ以上の発展は見込めそうもないんだが、ちょっとばかり気になる作家ではあった。

2000/6/9

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