日本人の清潔がアブナイ!

藤田紘一郎 / 小学館 / 00/07/01

★★

ちょっと乱雑な感じ

 著者は寄生虫学などを専門とする学者。『笑うカイチュウ』などの著書があり、寄生虫は人間と共生しており、それが自然な形なのだというたぐいの主張をしている。本書はそのような問題意識から、現代の日本があまりにも清潔になりすぎているために、日本人の病気に対する抵抗力が落ちてきていることを示唆するさまざまなエピソードを紹介している本である。

 この問題意識にはかなり賛成するのだが、本書は本としてはあまりよい出来ではない。平易な文章を志す軽い感じのエッセイ的文体が、かえって信頼感を損なっているし、ときおり筆が滑って変なことを書いている。

 まあしかし、著者のように腸の中に寄生虫を飼うべきだとは言わないけど、行きすぎた清潔志向が危険だという意識は持っておいた方がよい。だが、著者のような人がいくら主張しても、やっぱり人々の清潔志向はなくならないんだろう。これもひとえに、「清潔グッズ」を売る企業はあるけれども、「非清潔グッズ」を売る企業はないという理由によるわけだ。

2000/6/18

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