わがままな脳

澤口俊之 / 筑摩書房 / 00/03/10

★★★

内容はともかくスタイルに問題あり

 著者は認知神経学を専門とする学者。脳と認知の関係についてあれこれと書いているエッセイ集。

 『脳のなかの幽霊』と重なり合う部分が多いのだが、スタイルの違いのせいで印象がずいぶんと変わるものだ。『脳のなかの幽霊』は、科学者がライターと組んで書いた本だったが、こちらは科学者が自分で書いた本。で、本書の著者には文才がない。

 日本では、科学者がライターと組んで啓蒙書を作るということがほとんど行われない。これはもったいないことだと思う(ライターだから文才があるということにはならないが)。あともう1つ、『脳のなかの幽霊』には翻訳書であるという利点があった。翻訳者は往々にして、翻訳の過程で、校正者やエディターの役割を果たすのである。

2000/6/24

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