誰も書かなかった沖縄

被害者史観を超えて

惠隆之介 / PHP研究所 / 00/07/05

★★★

なかなかチャレンジングな試み

 『沖縄の自己検証』は、沖縄の「情念派」に対してグチを言うインテリの本だったが、こちらは反対の立場から同じほどの情念をぶつけている本。沖縄の経済事情が悪いのは、沖縄の住民が怠惰であるからで、これは中国に隷従していた琉球王国の封建的体質に由来している。沖縄の住民は怠惰で教育程度が低いので共産主義がはやる。などなど、サービス精神に満ちあふれている。著者は沖縄出身。防衛大学、自衛隊、琉球銀行を経てジャーナリスト(記事を載せてくれるメディアはあるのか!?)。これは「沖縄自虐派」とでも呼ぶべきなのか。

 日本のことを「わが国」と繰り返して呼ぶなど、笑うポイントはたくさんある。『韓国併合への道』と同様に、極端なまでの反主流史観を打ち出すことの意義はたしかにあるものと思う。今後も頑張っていただきたいが、過去の話はもういいから、244ページの「緊急に実施したい四つの提案」に書かれているような前向きの話に焦点を当ててほしい。この「四つの提案」はいずれも興味深く、背景事情をもうちょっと詳しく知りたいと思った。

2000/6/30

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