ぼくたちが石原都知事を買えない四つの理由。

姜尚中、宮崎学 / 朝日新聞社 / 00/07/05

★★

ちょっとこれはまずいのではないか

 東京都知事の石原慎太郎の「三国人」発言を批判する対談。なんということか、宮崎学がワイドショーのコメンテーター・レベルの文化人になってしまった(姜尚中は以前からそう)。石原慎太郎はあらゆる悪の根源であり、逆に現代社会のあらゆる病が石原慎太郎に通じるという感じの言いたい放題。

 石原都知事を論じるものは、少なくとも、石原都知事の「三国人」発言に象徴される彼の(ハードな意味での)レイシスト的な傾向が国民に支持されているのかどうかという点について立場を明確にしなくてはならないと思う。私は、いかなる意味でも日本国民のマジョリティの支持を受けていないと思っている。彼の発言以降、たとえば都庁に石原支持の電話やファックスが届いたのは、メディアのPC policeぶりに対する反感の表われである。

 この私の仮定が間違っているんだったらゴメンなさいなんだが、さすがにそれはないでしょう。いやもちろん、経済の停滞あるいは所得格差の拡大のせいで、今後、ナショナリスティックな心情を持つ層が現れる(まあすでに現れているらしい)ということはあるにせよ。

 だから脱線して揚げ足を取られるような危険を犯さずに、単に、「あなたの感性は国民や都民を代表するような感性ではありません。その感性を表に出さずに政治をやってくれるなら結構だけど、表に出したら批判しますよ」とだけ言っていればいいのだ。辞任を要求するのも別にいい。

2000/6/30

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