音楽ジャンルって何だろう

みつとみ俊郎 / 新潮社 / 99/12/25

★★★★★

これは大胆な企て

 『オーケストラとは何か?』がかなり面白かったので、この本も読んでみた。「音楽のジャンル」を定義するという無謀としかいいようがない試み。「ポップとロックの違い」みたいな話に真っ正面から生真面目に取り組んでいる。「後書き」より。

極端な話、私はロックをこう理解しているけれども、Aさんはまったく異なった意見を持っているだろうし、またBさんも全然違う意見を持っていて当然なのである。
だからこそ、私はあえて音楽のすべてのジャンルにわたって、最大公約数と思われる定義づけをしてみたわけである。当然出てくるであろう批判の承知で。
歴史的事実を除けば、もともと感情のごく抽象的な表現手段である音楽をことばで表現することは、その抽象性をさらに増大させてしまうかもしれない。しかし、それでもこの本は必要なのである。どう必要なのかを、お読みいただいたすべての読者に理解していただければ幸いである。

 なんというか、鬱陶しいサブカルチャー批評の中に一本の楔を打ち込もうとする潔い企てである。私もこの本を読んで、いろいろと異なる意見を持ったが(もちろん同じ意見を持ったことの方が圧倒的に多かったが)、著者の筋の通った姿勢には感銘を受けた。この本は多くの音楽ファンから「ださい」とか「アホ」とか酷評されるかもしれないが、私は支持したい。

2000/6/30

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