ゼロ金利の経済学

岩田規久男 / ダイヤモンド社 / 00/06/15

★★★★★

ドキュメンタリー的なゼロ金利政策解説

 2000年7月の時点で、GDPの回復傾向を受けて、日銀はゼロ金利政策の解除を示唆し始めている。本書は、このゼロ金利政策の実施が決定されるまでの経緯をドキュメンタリー的な手法で描くと同時に、ゼロ金利政策の幅広い分野でのインプリケーションを論じている良い本。『金融法廷』はスタイルに凝りすぎた失敗作だったが、こちらは一転して驚くほどわかりやすく面白い。なお著者の姿勢は基本的に、ゼロ金利政策の続行とさらなる量的緩和の支持。

 日銀の金利政策一般に対する批判は、FRBのアダム・グリーンスパンについての本、『グリーンスパンの魔術』と併せて読むと面白い。公平に見て、日銀は、自らのポジションの表明のしかたという点で依然としておそろしく下手くそだという感じがするが、そのように下手くそであることが何らかのスタビライザーとして働いているということも、これまた日本社会の真実なのかもしれない、とふと思ったりもする。

2000/7/8

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