ザ・コンサルティング・ファーム

企業との危険な関係

Dangerous Company: The Consulting Powerhouse and the Businesses They Save and Ruin

ジェームズ・オシーア、チャールズ・マディガン / 日経BP社 / 99/12/20

★★★★

コンサルティング会社の功罪両面に目を向けた本

 アメリカのコンサルティング会社の活動を扱ったノンフィクション。コンサルティング会社の宣伝資料からは隠されている闇の部分を探ると同時に、この種の会社の功績にも言及しているバランスのとれた本である。また、実際にコンサルティング会社を利用しようと考えている人々のための実践的な助言もしている。

 コンサルティング会社にはたしかにいろんな問題があるわけだが、興味を惹かれたのはむしろ功の部分、特に第5章「葬儀屋があふれている部屋の薬売り」で描かれている、ボストン・コンサルティング・グループが管理医療(managed care)の発展において果たした役割だった。『シビル・アクション』の項で、懲罰的損害賠償を見込む集団訴訟を手がける弁護士が、公共の福祉の向上に寄与する民間セクターあるいはベンチャー・ビジネスの役割を果たすことが可能であるという意味のことを述べたが、本書では、コンサルティング会社がコンサルティングを通して医療の仕組みに変化をもたらし、結果として公共の福祉の向上に寄与できるということが示唆されている。もちろんアメリカにおけるmanaged careの功罪は全体的な医療システムの中で論じなくてはならず、その評価も定まってはいないわけだが、局所的に見ればこの改革の恩恵を受けた人々が大勢いることは間違いない。なお、『「健康」という病』には、直接には扱っていないにせよ、managed careの概念につながるような啓蒙的な文章があった。また、この改革の背景となるアメリカの医療事情については、『病院沈没』が面白い。

 念のため書き添えておくが、本書は全体で見れば功罪のうちの「罪」の方を多く扱っており、上記の管理医療に関する記述はほんの一部にしか該当しない。大部分は、もっと一般的な対企業のコンサルティングに関する「ふつう」の話である。

2000/7/8

TRCの該当ページへ

amazon.comの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ