縄文時代の商人たち

日本列島と北東アジアを交易した人びと

小山修三、岡田康博 / 洋泉社 / 00/08/22

★★★★

なんとも壮大な図式

 ずいぶんと大胆なタイトルだが、内容も「空想」とでも言うべき領域にまで踏み込んでいる大胆な対談。あまり大風呂敷を広げない考古学の範疇から一歩先に踏み出して、(著者らは経済人類学と呼んでいる。これが少し不安なんだが)考古学で得られた知見から、縄文人の経済活動を積極的に考察しようという本である。どのていどまで信じてよいのか、そのニュアンスを伝える情報が少ないので心配なんだが、全体的にエキサイティングな話が展開する。

 「商人たち」については、従来言われていたよりもずっと高度な、ヒスイやコハクなどの準通貨的な物品だけでなく、各地の特産品を交易して差益を稼ぎ、それとともに情報の流通を担う積極的な商人像が提唱されている。たしかに、かなりの遠距離をリスクを背負って移動している以上、そういう高度な機能を持っていないとかえって不自然な気もしてくる。

2000/8/19

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ