「森を守れ」が森を殺す

森林は酸素を増やしてはいない!

田中淳夫 / 新潮社 / 00/10/10

★★★★

構成に難があるが、熱意が伝わってくる

 著者は、何の人なのかよくわからないが、林業に関する知識的バックボーンをもとに本を書いているようだ。本書は1996年に洋泉社から刊行された同タイトルの本を改題・加筆したもの。

 森林をターゲットとする自然保護運動についてのささやかな口出し。副題の「森林は酸素を増やしてはいない!」は、いわゆる「極相」(この概念自体がどのていど妥当なのか難しいが)に近づいた森林は、全体的な収支を見れば、むしろ酸素の消費者であるということを言っている。こういうきわめて根本的な話から、それほど根本的ではなくまだ流動的だと思われる話までのたくさんのトピックが、あまり整理されずに語られている。

 同じ著者による『伐って燃やせば「森は守れる」』の方が新しいので、そちらの項も参照。

2000/10/28

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