アメリカ大統領の正義

猪口孝 / NTT出版 / 00/10/18

★★★

軽いエッセイのようなもの

 NTT出版の「ONE THEME BOOKS」というシリーズの1冊。大統領がアメリカという国の中でどのような位置づけにあるのかということを論じ、さらに日米関係にちょっと触れ、最後にエッセイとアメリカ論、政治学に関する参考文献リストが載っている。大学新入生レベルを対象にした入門書のような感じ。

 たまたま『憲法と戦争』に続けて読んだのだが、あれは日本在住のアメリカ人による日本論で、本書はアメリカでそこそこ活躍している日本人によるアメリカ論である。そして前者がアメリカの外交戦略を帝国主義と見なして非難するのに対し、後者はアメリカ追従型の日本も含めて肯定的に捉えている。両者のスタンスの違いは、前者が、アメリカではまともに相手にされないような持論を持つ「政治思想学者」が日本でそこそこ成功しているのに対し、後者は、アメリカの政治学界のメインストリームにうまく乗っているということ「のみ」から生じていると思えてしかたがない。まあ生活に密着した思想、と呼べば聞こえはいいんだが。

2000/11/4

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