悔恨の日

The Remorseful Day

コリン・デクスター / 早川書房 / 00/10/31

★★★★★

モース・シリーズ最終作

 コリン・デクスターのモース主任警部シリーズの13作目にして最終回。本作は、シリーズのこれまでの作品と比べて特に飛び抜けた点があるわけではないが、シリーズ最終回なのでファンは読んでおくべきだろう。読んだことがない人には、シリーズ1作目から順番に読んでいくことをお勧めする。

 これは、本格推理とかパズラーなどと呼ばれる推理小説の分野で、主人公となる探偵がどのように推理を間違えるかということを興味の焦点とするという新機軸を打ち出したシリーズだった。主人公が愚かだから間違えるのではなく、きわめて合理的かつ理性的に間違えるのである。シリーズ後半になるとさすがに最初の頃の新鮮さはなくなったが、その代わりに愛すべき登場人物たちの人物造型の味わいが深まったという感じがする(実はほとんど忘れているのだが)。

 本作は、事件とは関係ない箇所でのモースの行動や言動が美しく、シリーズの終わりに向けての大団円が用意されている。ロジックではないテキスト上のトリックが数多く用意されているのも目につく。

 以下、巻末よりコリン・デクスター著作リストを引用。

Last Bus to Woodstock (1975) 『ウッドストック行最終バス』

Last Seen Wearing (1976) 『キドリントンから消えた娘』

The Silent World of Nicholas Quinn (1977) 『ニコラス・クインの静かな世界』

Service of All the Dead (1979) 『死者たちの礼拝』

The Dead of Jericho (1981) 『ジェリコ街の女』

The Riddle of the Thrid Mile (1983) 『謎まで三マイル』

The Secret of Annexe 3 (1986) 『別館三号室の男』

The Wench Is Dead (1989) 『オックスフォード運河の殺人』

The Jewel That Was Ours (1991) 『消えた装身具』

The Way THrough the Woods (1992) 『森を抜ける道』

The Daughters of Cain (1994) 『カインの娘たち』

Death is Now My Neighbour (1996) 『死はわが隣人』

The Remorseful Day (1999) 『悔恨の日』

短篇集

Morse's Greatest Mystery and other stories (1993) 『モース警部、最大の事件』

2000/12/2

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