新潟少女監禁事件

空白の九年二カ月

毎日新聞新潟支局編 / 新人物往来社 / 00/12/05

★★★

新聞記者の本としてはまともな方だが

 1990年11月13日に失踪し、2000年1月28日に発見された、新潟の少女の事件に関するドキュメンタリー。ただし、この誘拐事件そのものよりも、その後に盛り上がった警察のスキャンダル騒動に焦点が当てられている。その意味で、このタイトルはミスリーディングである。

 著者は毎日新聞の新潟支局。新聞記者が書く事件ものは非常に質が低いものが多いが、本書は許容範囲内。事実の経過を、主観をまじえずに淡々と追っていくスタイルが効を奏しているように思う。ただし、この一連の「警察スキャンダル」が本当はメディアのスキャンダルであるということはまったく認識していない様子。

 1999年から大々的に報道されるようになった「警察スキャンダル」は、警察が急におかしくなったことを示しているのではなく、横並びのメディアが、警察のスキャンダルを報道しても良いと判断したことを示しているに過ぎない。この新潟県警の一連の「不祥事」にしても、このようなことが新潟県警以外では行われていない例外的なケースだと思っている人はさすがにいないだろう。

 なお、白川勝彦(『自自公を批判する』)の秘書による交通違反もみ消し依頼の件についての記述もある。もちろん、この件の怪しげな背景についてはいっさい触れない表面的な記述。

2000/12/2

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