韓国は日本を見習え

滞日三年、韓国エリート官僚の直言

李銅君(イ・ドンフン) / 文藝春秋 / 00/11/30

★★★

勘違いも少なくないものの興味深い日本賞讃本

 著者の名前の最後の字は、「君」に「れんが」(「烈」の下のやつ)が付いた文字。著者は1994年からアジア経済研究所の客員研究員として日本に3年間滞日した韓国人の官僚。そのときの経験をもとに韓国で日本賞讃本(1998年)を出版し、(解説によれば)「相当売れた」が、本書はその内容をベースに著者が日本語で書き下ろした本である。日本人向けに補強された記述も少なくなさそうだが、基本的に韓国人を対象読者としており、「勘違い」もそのままになっていることから、オリジナルにかなり即した内容なのだと思われる。

 『もうひとつの日本』は韓国人の外交官が書いた日本賞讃本だった。また、『韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由』『やっぱり韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由』は韓国滞在の長い日本人ビジネスマンが現地で出した本である。本書を含めて、いずれも金大中大統領の登場に伴う日本ブームの中で出版されたもの。

 本書の基本的な態度は『韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由』のそれと同じで、日本の(それまではネガティブに理解されていた)特徴にポジティブな面を見るということであり、この流れは経済的な問題のせいで韓国人が自信をなくしたことに対応している。

 本書の興味深い点は、著者が学齢期の子供を持つ父親でもあるため、公教育を含む日本の地域社会にかなり密着した生活体験をしているところにある。このため、(『韓国が死んでも日本に追いつけない18の理由』と同じく)戦後日本の雇用習慣にとどまらず、戦後日本の(このところ評判の悪い)戦後民主主義的な平等主義も賞讃の対象となっている。

2000/12/16

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