「米国一極集中」の投資リスク

国際マネーフローの行方と次なる投資戦略

海野広 / 東洋経済新報社 / 00/12/21

★★★★

わかりやすい説明

 著者は野村證券金融研究所の人。本書は国際的なマネーの流れのメカニズムを解説し、今後の展開を見据えての投資戦略を述べた本で、一般人向けにわかりやすく解説している。政策提言なんてものではない、投資家の立場に立った解説が気持ちいいことはたしか。

 マネーの米国一極集中の今後の展開として、「限界の先送り」、「限界の解消」、「限界の顕在化」の3つのシナリオ。ちなみに『日本経済の油断』の嶋中雄二は、2000年初頭の時点で、2000年後半の日本経済の失速を予測した非常に数少ないエコノミストの1人だったとして、2000年12月の時点で高く評価されているらしい。2000年12月に入って、アメリカの景気後退がますます色濃くなってきている。ここから果たして世界同時不況が始まるのか、逆にマネーがヨーロッパと日本に戻るのか、微妙な状況にある。『日本経済の油断』は、マネーが生産性の相対的に高いアメリカから流出することによって、世界全体の経済成長が下がるとしているのだが、逆に生産性向上の余地があるアメリカ以外の国にマネーが行った方が効率的であるという見方もある。

2000/12/23

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