中世哲学への招待

「ヨーロッパ的思考」のはじまりを知るために

八木雄二 / 平凡社 / 00/12/15

★★★★★

刺激的

 14世紀のキリスト教神学者、ヨハネス・ドゥンス・スコットゥスの哲学を軸に、中世哲学が古代哲学と近代哲学をどのように橋渡ししているかを解説する本。副題にあるように、「ヨーロッパ的思考」としての近代思想はあくまでも古代と中世をベースにして作られたものであり、日本人に「ヨーロッパ的思考」がわかりにくいのはこの経験を共有していないからであるという観点から、ふつうの日本人にわかりやすい言葉で説明するというアプローチである。明快な言い切りが好ましい、刺激的な本だった。

 中世哲学の入門書でありながら、昔からあったタイプの日本人論でもある。だから、どこまで真に受けていいのかは不明なのだが、人々を誘うためのきっかけ作りとしては非常に効果的だったと思う。

2000/12/30

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ