異物混入

No Witnesses

リドリー・ピアスン / 角川書店 / 00/11/25

★★★★

安定して面白い

 リドリー・ピアスンの1994年の作品。『深層海流』と『臓器狩り』に続く、ルー・ボールトとダフネ・マシューズのシリーズ3作目である。リドリー・ピアスンは翻訳のバックログがずいぶんと溜まっている中堅作家の一人。本作を読んでも決してパワーがなくなったという感じはしないので、なぜ翻訳出版のペースが落ちているのか疑問である。リチャード・ノース・パタースンあたりと同様に、しつこい文体が日本の読者の好みに合わないのだろうか。なお、ピアスンはいまのところ、このシリーズよりも前に書かれた作品群の中にいくつかの傑作がある。

 本作では、ダフネ・マシューズの恋人が経営している食品会社の製品に病原菌や毒物が混入される。全体としてそれほど目新しい仕掛けはないが、捜査手法と、登場人物たちの個人的問題の描写のバランスが取れた安定した小説だった。

 訳者あとがきより、本シリーズの未訳作品のリスト。ちょっと読んでみたくなった。

Beyond Recognition (1997)

The Pied Piper (1998)

The First Victim (1999)

Middle of Nowhere (2000)

2000/12/30

TRCの該当ページへ

amazon.comの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ