処刑の方程式

Place of Execution,A

ヴァル・マクダーミド / 集英社 / 00/12/20

★★★★

たしかによくできている

 著者のヴァル・マクダーミドという人の本は、すでに『殺しの儀式』、『ロック・ビート・マンチェスター』、『殺しの四重奏』の3冊が邦訳されているようだ。『殺しの儀式』は読んだような気がするのだが、どうしても内容が思い出せないので、読んでいないのかもしれない。

 本作は1960年代にイギリスの鄙びた村で起こった少女の失踪事件を捜査する警察官を主人公とした警察小説にプラスαしたもの。排他的な村人たちのせいで翻弄される捜査活動を地道に描く重厚な小説で、単純に面白かった。プロット上、いろいろと不徹底な面があって、読み終えたときにはフラストレーションを感じたが、その不徹底さと、著者の楽天性というか根本的な善性は表裏一体のものなので、あまり文句もいえない。今後はちょっと注目しようと思う。

 なお、本文よりも先に巻末の「解説」を読んではならない。訳者ではない人物による解説で、訳者じゃないという負い目があるせいなのか、まったく不要なバカなことを書いている。この解説のせいで、1/4ぐらい読み進めた時点でネタがわかってしまった。犯罪的だ。

2001/1/6

TRCの該当ページへ

amazon.comの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ