ルーズベルト秘録

産経新聞「ルーズベルト秘録」取材班 / 産経新聞社 / 00/12/10

★★★

産経新聞的なルーズベルト論

 産経新聞の連載の単行本化。フランクリン・D・ルーズベルトのさまざまなエピソードを、日米関係に焦点を当てて紹介する本。新聞連載の単行本化なので、あまりきれいにはまとまっていない。また、その政治的なスタンスはきわめて「産経新聞的」である。

 冷戦の終了とともに、アメリカの機密文書の公開が進み、この分野ではいろいろと新しい発見が行われている。とまあ言う人はそう言うし、そうでない人はこれをリビジョニズムと呼ぶのだろう。映画メモの方でちょくちょく言及しているが、1990年代のアメリカでは、この時期(第二次世界大戦前後)におけるアメリカの正当性を擁護したいという欲求がもろに反映された映画が多く作られているように感じられる。歴史研究におけるリビジョニズムは、この流れと互いの鏡像になっていると私は推測している。

 本書で特に興味深く感じられたのは、孤立主義を唱えたリンドバーグがかなり肯定的に紹介されていることだ。これはかなりの「重症」というか、大胆な立場であるように思われる。ただまあ、産経新聞にとってみれば、これはきわめて整合性のある立場ではある。

2001/1/20

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