インターネットの経済学

佐々木スミス三根子 / 東洋経済新報社 / 00/10/05

★★★

興味深い内容だが、役に立つかどうかは不明

 インターネットが経済に与える影響の予測をテーマにした本。この手の本は山ほどあるが、本書の特徴は、意見を聞くに足るビッグ・ネームたちを対象としたインタビュー集である、という点にある。インタビュー対象者たちの興味の対象は多様であり、政治的意見には対立軸がいくつか見られる。

 取り上げられているのは、ミルトン・フリードマン、ケネス・J・アロー、ネーサン・ローゼンバーグ、ポール・A・デービッド、青木昌彦、レスター・C・サロー、ロバート・E・ライタン、スティーブン・J・コブリン、J・ブラッドフォード・デゥロング、IPI(インターネット政策研究所)。インターネットの経済効果に関してどのような論争が行われているかを手軽に知るためには良い本である。

 著者のまえがきは2000年7月に書かれている。それから半年経ったいま、事態は再び急転している。アメリカの景気後退を示唆する経済指標、企業の収益見通しの下方修正、NASDAQ市場の株価急落などを受けて、いわゆる「ニューエコノミー」の大きな要因であった、米国企業が積極的に行ってきたIT関連の投資が、ついに在庫循環の下落過程に入るのではないかという話も出てきている一方、NASDAQは底打ちしたという観測もある。要するに、この手の話は賞味期限が短い。。

2001/1/27

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