Ebert's Bigger Little Movie Glossary

Ebert's Bigger Little Movie Glossary

Roger Ebert / Andrews McMeel Publishing / 99/01/01

★★★

ちょっとベタすぎるか

 『I Hated Hated Hated This Movie』『Roger Ebert's Movie Yearbook 2001』に続けて、Roger Ebertの本をまとめ読みしている。本書のタイトルは、以前に出版されていた"Little Movie Glossary"の増補改訂版という意味。映画のcliche、お約束、「法則」のアフォリズム集。本人が書いたものに加えて、他の人から「投稿」されたものも含まれている。

 あまり面白くない。ほとんどのものが映画の「法則」をベタに表現しただけで、気の利いたものが少ない。ただし、映画全体の、または個々のシーンの分類、あるいは簡潔な説明の目的には便利そうなものもある。たとえば、"Dead Teenager Movie"(説明不要だろう)、"Clean Up Movie"(「はみ出し者の集団が、新しい教師/コーチ/尼さんに叱られて、急に最高のクラス/チーム/コーラスになる」)、"Climbing Villain"(映画の終わりの方で、階段、教会の塔、山など、高いところに登っていく悪人のこと)、"Fatal Basic Attraction Instinct Genre"(「いい家に住んでいる悪い人間たちの間のセックスに関する映画」)など。最後のは、日本語では「氷ジャンル」と呼ぶのが適切か。

 いくつか気の利いたものを紹介しておく。

 エリスの法則。非エスニック系のキャストの中に、アフリカ系アメリカ人またはイタリア人が1人だけ混じっている場合、その人は通常は善玉である。セリフのあるアフリカ系アメリカ人またはイタリア人が5人以上登場する場合、彼らは全員がギャングのメンバーである。(60ページ)。

 爆発ESP。登場人物たちは、自分の乗っている、クラッシュして煙を吐いている車が爆発するかどうかを必ず知っている。彼らが逃げ出さなければ、車は爆発しない。逃げ出せば、爆発する。(63ページ)。

 ハリウッド・カー。一見すると普通の自動車だが、人生をひとりでやり直そうとしている映画のヒロインが中古車ディーラーから購入するとバックファイヤを起こすようになっている。(87ページ)

 念を押しておくが、これらが「最良の部類」に属しているという本である。

2001/2/3

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