昭和史の謎を追う

秦郁彦 / 文藝春秋 / 93/03/05

★★★★★

感動的な本

 1984年から季刊雑誌『円卓会議』に「昭和史の謎を追って」というタイトルで、また1988年から1992年まで『正論』に「昭和史の謎を追う」というタイトルで連載された記事を集めたもの。昭和史の1つのトピックを20ページほどで解説したものが全部で43章ある。

 各トピックに関する歴史研究の概要が中心となっているが、著者自らの調査活動に関する記述も面白く、桜花の発案者とされる人物を追って知人の葬式で張り込みをしたりしている。

 フィールドの広さ、調査の細かさ、判断の的確さ(あるいは的確な判断だという印象を与える書き方)、政治的な問題に対するバランスの取り方などなど、いずれをとっても一級品。個人的には、昭和史を考えるときのframe of referenceとなりそう。

1998/6/7

TRCの該当ページへ

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ