日本航空事故処理担当

山本善明 / 講談社 / 01/03/20

★★★★★

前著ほどではないけど

 『墜落の背景』の著者の2冊目。講談社+α新書のコンパクトな本で、前著に書かれていたような内容にプラスして、1999年7月の全日空機ハイジャック事件と、2001年1月の日航機ニアミス事件についての簡単な言及がある。

 『墜落の背景』は力作だったが、こちらはその簡易版という感じがするのは否めない。しかし私は、この人が書くものならばとうぶんは無条件で買って読むだろう。できれば、本書でも少し言及している航空機事故以外の大型事故の分野にも取り組んでくれると嬉しいのだが。柳田邦男がこの分野での現役を退いたいま(あくまでも私の印象)、「事故もの/安全ものノンフィクション」のめぼしい書き手がいない。

 本書を読んで、基本的な姿勢や文体を好ましく思った方には、ぜひ『墜落の背景』を読むことをお勧めする。

 なお、前作の出版後のエピソードとして、第五章にいくつかの興味深い話がかかれている。日本航空の社内でのリアクション。『墜落の背景』の取り上げ方に関するメディア上での自己規制。さらに、「私の本の内容を評価する書評を書いた評論家が、のちに日本航空の後方担当者から「お叱り」を受けた」こと。

2001/4/14

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