ぼくが読んだ面白い本・ダメな本そしてぼくの大量読書

立花隆 / 文藝春秋 / 01/04/20

★★★★

頑張ってますなあ

 正式なタイトルは『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』。『週刊文春』に連載されている「私の読書日記」の1995年11月30日号から2001年2月8月号までをまとめたもの。それ以前のもの(92年から95年まで)が収録されていた『ぼくはこんな本を読んできた』の続篇ということになる。連載された原稿に加え、「序」で読書論を述べ、巻末で『「捨てる」技術』という本を批判する文章を収録している。

 「序」の次の箇所などには大いに共感する(14ページ)。

私は読む側の立場として、いかにも書評らしい書評が好きではないので、自分でもそんなものは書きたくないのである。「いかにも書評らしい書評」とは、要するにその本に対して同じフィールドの専門家がもっともらしい評価を偉そうに書きつらねている書評である。そういう書評は、私にはだいたいよけいなお節介に思える。「その本が読む価値があるなら、そのことだけを手っ取り早く伝えてくれ。評価は自分で下すから、よけいな先入観を与えないようにしてくれ」といいたくなるのである。私が書評に求めるのはもっぱらその本が読む価値があるのかどうかの情報である。◎○△×などの記号ですましてくれるなら、そのほうがよっぽどいいのにと思うときすらある。本の評価などというものは、読む人によってちがいすぎるほどちがって当り前である。本の本当の評価は個人的たらざるをえないのだから、当然それは読む人自身にまかせるのがいちばんである。

 ただ、『ぼくはこんな本を読んできた』を読んだときにかなりびっくりしたのだけれども、また本書の「序」でもそのテーマは繰り返されているのだけれども、この人の推奨するような本の選び方と読み方は、非常に特殊な境遇の人にしか勧められないものだと思う。そして、そのような境遇が幸せなものなのかどうかは難しいところだ。

 なお本書のタイトルもそうだが、このところ「だいじょうぶなのかな?」と思うことがしばしばある。

2001/5/10

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