臓器は「商品」か

移植される心

出口顕 / 講談社 / 01/04/20

★★

まとまりがないが

 臓器移植というトピックをさまざまな観点から扱うポップ文化人類学。臓器移植の倫理学を構築するために使えそうなさまざまな題材を取り上げているが、あまり明確な主張はない。梅原猛(『脳死は本当に人の死か』)をはじめとする、「日本固有の文化」の立場から脳死や臓器移植に反対する人々をオリエンタリズムとして批判している。まあそれはそうなんだが。

 この読書メモでは、関連する本として『私は臓器を提供しない』『人体部品ビジネス』などを取り上げている。なお、人工臓器が発達すると、人間間の臓器移植は行われなくなり、臓器移植を前提とした脳死の問題はobsoleteになると思われる。また、臓器移植を受けた側の「アイデンティティの揺らぎ」の問題も、そのような移植手術が一般化すればノン・イシューになってしまうだろう。

2001/5/31

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