警察はなぜ堕落したのか

黒木昭雄 / 草思社 / 00/08/01

★★★★★

まっとう

 『栃木リンチ殺人事件』がとても良かったので、同じ著者の昨年出版された本を読んでみた。短い文章の集まりなので、『栃木リンチ殺人事件』のような迫力はないけれども、やはり文章が上手なので読ませる。第一部「警察不祥事の裏側」では最近話題にのぼったいくつかの事件を著者独自の観点から分析したもの、第二部「堕落の構造を解き明かす」は警察官を辞めて一年経った著者による内部告発である。

 第一部で取り上げられているのは、栃木リンチ殺人事件(『栃木リンチ殺人事件』、『わが子、正和よ』)、桶川ストーカー殺人事件(『遺言』)、京都小学生殺人事件(「てるくはのる」事件。容疑者がマンションから墜落死したことで話題を呼んだ)、バスジャック事件(『「少女監禁」と「バスジャック」』)、名古屋五千万円恐喝事件、長野の警察官不正使用事件。

 第二部は、本人が警察官を辞めた経緯のほか、警察組織の硬直化を引き起こしているメカニズムを解説している。実際に組織内にいた人がすばりと言い切っているところに価値がある。

2001/6/7

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