マイ・ジャイアント

My Giant

Michael Lehmann / Billy Crystal,Gheorghe Muresan,Kathleen Quinlan / 1998

★★★

ビリー・クリスタルにしてはマシ

 日本劇場未公開。マイケル・レーマン監督。しかしこれはビリー・クリスタルの原案、製作、主演の映画なので、彼の映画だと考えるべきなんだろう。映画俳優のエージェントをフリーランスでやっているビリー・クリスタルが、ルーマニアの田舎の修道院でジョージ・ミュアサンを見つけ、アメリカに引っ張ってくるという話。最初は『アフリカン・ダンク』のようなスポーツ・エージェントものかと思っていたら、そうではなく、ジョージ・ミュアサンはまったくバスケット・ボールをプレイしない(プロレスはやるが)。ちなみにジョージ・ミュアサンはルーマニアのトランシルヴァニア地域出身のNBAスターで、身長が230cmほどもある巨人である。

 ビリー・クリスタルは、アメリカに住む幼なじみに会いたいというジョージ・ミュアサンをうまく丸め込んで、アクション映画に出そうとするが(スティーヴン・セガールがゲスト出演)、心臓に負担がかかるから無理だ、そもそも巨人症の人は寿命が短いからそろそろ死ぬぞと医者に言われて断念する。このようなストーリーの映画にジョージ・ミュアサンを起用するのは洒落にならないと思うんだが、いいんだろうか? とはいうものの、巨人の役者としてすぐに思い浮かぶリチャード・キールは、60歳になったいまも元気に映画に出ているようだ。

 ビリー・クリスタルは、『恋人たちの予感』で共演したメグ・ライアンと同じく、自らのパブリック・イメージをとことん知り抜いて、それを徹底的に利用しようという人である。そのイメージは、やはりメグ・ライアンと同じく非常にベタなので、失敗するととんでもない映画ができあがる(『ファーザーズ・デイ』とか『シティ・スリッカーズ』とか『シティ・スリッカーズ2』とか)。しかし、自ら製作・脚本・監督した『彼と彼女の第2章』はおそろしいほどよくできていた。この『マイ・ジャイアント』は、『彼と彼女の第2章』未満、『シティ・スリッカーズ』以上というあたりだろうか。

 ジョージ・ミュアサンがなかなか良いので驚いた。『エディー/勝利の天使』のグレッグ・オースタータグやマーク・ジャクソンとか、『ダブルチーム』のデニス・ロドマンとか、『スペース・ジャム』のマイケル・ジョーダンなどと比べるとはるかに趣のある演技をしていて、ひょっとしたら次期リチャード・キールの地位を獲得できるかもしれない。

 ビリー・クリスタルの妻をキャスリーン・クインランが演じており、腕の太さに驚いたけれども、最後の方でかなり良い見せ場があって満足した。

1999/12/16

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