ビヨンド・サイレンス

Jenseits der Stille

Caroline Link / Sylvie Testud,Tatjana Trieb,Howie Seago,Emmanuelle Laborit,Sibylle Canonica / 1996

★★★★

ちょっとずるい気もするが、楽しい映画

 原題の"Jenseits der Stille"は、たしかにそのまま"Beyond Silence"ではある。「静寂の向こう側」という意味。

 聾者の両親を持つ娘が、クラリネット奏者として音楽学校への入学を決意するが、そのことから両親との間の絆にひびが入るということなどを軸とした成長/青春映画。まあ穏当に良質のハリウッド映画的ではあるんだが、娘ララを演じるタチアナ・トゥリープ(子供の頃)とシルヴィー・テステュー(成長した頃)の2人の存在感が圧倒的すぎてずるいと感じるほどだった。

 最初の方ではタチアナ・トゥリープの生意気な感じが面白く、これ以上のものは望めないんじゃないかと思ったが、18歳になった彼女を演じるシルヴィー・テステューが出てきて、それ以上の名演技を見せるので驚いた。周囲の大人たちは普通にくどいんだけど、この子役二人はそういうのをすいすいとくぐり抜けて、とても自然な感じなのである。この点がハリウッド的な映画からの乖離を感じさせて新鮮だった。聾者が登場する映画の常套手段である、聾者の手話をいちいち口に出して言うという難しいシチュエーションも、この二人はいとも簡単にこなしてしまっている。

 こういうタイプのドイツ映画も日本に輸入されるようになったのは良いことで、素直に喜んでいる。

1999/12/19

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