スプリガン

スプリガン

川崎博嗣 / 知らない / 1998

これはひどい

 アニメ。総監修が大友克洋で、江口寿史がキャラクター・デザインをしているということなどから注目されたようだ。他にも注目すべき要素はあるのかもしれないが、その方面に疎いのでよくわからない。

 『スポーン』を見たとき、これ以上にひどいものはないだろうと思ったが、やはりあるところにはあるんだなぁという感慨。何よりも恐ろしいのは、IMDBで、現時点でユーザー・レーティングが7.5という高得点になっていることである。

 一般論として、日本のアニメの作り手は(押井守を除いて)映画を見ていないんじゃないかという風に私は推測している。もったいないことだとは思うけれども、そういう状況からオリジナリティに満ちたものが生まれる可能性もないとはいえないので、まあ別世界ということにしておこうか。

 それに関連して思うのは、この『スプリガン』にも強烈に感じたアジア性とでもいうべきものと、香港のアクション映画のアジア性の共通点である。ジョン・ウーとかツイ・ハークがアメリカに進出して撮る映画が、そのアジア性のゆえにマーケットに受け入れられず、カンフー・アクションがアメリカ化されて取り入れられたものがヒットする(『マトリックス』など)という状況が、アニメの部分でも確実に起こるだろう。たとえば東映ヤクザ映画とか東宝時代劇は、本家が衰えても、その命脈はアメリカ映画の中に息づいている(と無理すれば言えなくもない)。アニメ的感性とカンフー的アクションは、これと似たような道をたどるんじゃないかと心配だ。

1999/12/22

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