スリング・ブレイド

Sling Blade

Billy Bob Thornton / Billy Bob Thornton,Robert Duvall,J.T. Walsh,Lucas Black / 1996

★★★

ちょっとリキはいりすぎ

 ビリー・ボブ・ソーントン(『アルマゲドン』『パーフェクト・カップル』)が監督・脚本・主演した作品。アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされ、脚色賞を受賞した。

 「社会の犠牲者となった心の優しい知恵遅れの男」という非常に危険な題材に、抑え気味の演技と中途半端にクールな演出という、演技派の役者が監督・主演をやるときに陥りがちな組み合わせの映画。精神障害者ものでは、最近では『ウィズ・ユー』を見たが、監督としての腕前はティモシー・ハットンよりも上で、精神障害者の演じ方はケヴィン・ベーコンよりも適切。アメリカ南部のゆっくり流れる時間と、善良な人々という感覚がよくでているけれども、後半に入ってちょっともたつきが感じられた。

 あらゆる意味で「良心的」かつ「政治的に正しい」映画ではあるんだが、それだけにかえってクリアしなくてはならないハードルは高くなり、この映画がそのハードルを越えていたかというと難しいところだ。ちょっと、映画以外の要素と、ある種の映画的な演出パターンに寄りかかりすぎかも。

 J・T・ウォルシュ(『交渉人』『ブレーキ・ダウン』)が、精神病院の中でソーントンにおぞましい話をする患者の役で好演。かなり怖い。ルーカス・ブラックが、ソーントンと心を通じ合わせる少年の役で出演しているんだが、ふつうに考えて、この2人が心を通じ合わせたというのは無理な設定なんではないか。これに限らず、ソーントン周辺の人々がやたら親切で不気味ではあった。

2000/4/6

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