ジム・キャリーはMr.ダマー

Dumb and Dumber

Peter Farrelly / Jim Carrey,Jeff Daniels,Lauren Holly,Teri Garr / 1994

★★★

まあ水準以上か

 大傑作の『メリーに首ったけ』のピーター・ファレリーのデビュー作。ジム・キャリー主演ということで敬遠していたことを反省してようやく見たのだが、ジム・キャリーが映画を壊すのを何とか修復しているという感じだ。驚いたのは、キャリーの相棒のジェフ・ダニエルズ。昔では『カイロの紫のバラ』の主人公。最近では『グース』のお父さん役や『グランド・ツアー』の主人公を演じている正統派の役者なのだが、この映画では下ネタを含めたスラップスティックな演技をしている。

 『メリーに首ったけ』で特徴的だったギャグの形態がすでに出ている。説明が難しいのだが、ある因果関係をずらし(ここが笑いどころになる)、しかしそれだけで終わらず、まったく別のベクトルでのギャグが連鎖するというパターンである。この映画では、たとえば次のようなシーン。ひょんなことから身代金が入ったスーツケースを手に入れてしまったジム・キャリーの家に悪人どもが潜入し、警告の意味を込めてインコの首を斬る。しかし、ジェフ・ダニエルズとジム・キャリーの二人は(バカなので)これを警告として受け取らず、「年を取ったから首が落ちた」などという訳の分からない説明で納得し、これをきっかけの1つとして、キャリーが見初めたローレン・ホリーのいるカリフォルニア州アスペンに向かうことを決意する。その後、死んだオウムは首を接着されて、盲目の少年に売り飛ばされる。

 つまり、悪人どもがインコの首を斬ったというエピソードが、通常の因果関係(キャリーとダニエルズが警告を受け取って脅える)から外れるだけでなく、まったく別のストーリー上の因果関係の起点となる(二人が西に向かう。また、盲目の少年にインコを売りつける)というパターンである。『メリーに首ったけ』は、この手のパターンがあちこちに張り巡らされていて笑いが絶えなかったのだが、この映画ではキャリー流の即物的なお笑いに引きずられているのか、ちょっと数量的に不足気味だった。

 主演女優のローレン・ホリーは、最近では『乱気流/タービュランス』(大したことない航空パニックもの)で主演している。テリー・ガーを久しぶりに見たが、端役。

2000/4/6

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