マイケル・コリンズ

Michael Collins

Neil Jordan / Liam Neeson,Aidan Quinn,Alan Rickman,Julia Roberts / 1996

★★★

まあいろいろと問題もありそうな実話

 ニール・ジョーダンがアイルランド独立の闘士を題材にして作った映画。リーアム・ニーソンがマイケル・コリンズ、その友人にエイダン・クイン、恋人にジュリア・ロバーツ、アラン・リックマンがデ・ヴァレラ(アイルランド共和国大統領)、Gメンの内通者がスティーヴン・レイ。

 近代アイルランド独立闘争史の中でもロマンチックな色彩の強いマイケル・コリンズという人物を中心に据えて、1916年のイースター蜂起から1922年のアイルランド自由国成立後の内戦までの期間を描く。政治色の強い題材なので、政治的メッセージを無視して論じることはできない映画なのだが、正直いってよくわかりません。アイルランドではヒットしたそうだが、IMDBのユーザー・コメントを見ると、アイルランド人の間でも評価が分かれるようだ(ただし大勢は支持)。ある意味で、マイケル・コリンズとこの時期のエピソードは、現時点では安全な方の題材といえるのだろう。特にアイルランド自由国が成立して間もなく死んだということが大きく効いているはず。坂本龍馬が安全なのと同じようなものだ。ちなみに、アイルランドでは、マイケル・コリンズと恋人のキティ・キアナン(ジュリア・ロバーツの役)の間のラブ・レターを集めた書簡集が発行されているらしい。

 映画としてはしっかりとできている。アイルランドを描く映画によく見られる、牧歌的な農村風景でもなく、現代の殺伐としたテロリズムでもない、20世紀初頭のヨーロッパの普遍的な風景をきちんと描いた歴史映画という感じがする。まあ要するに大作歴史映画だ。主演級のリーアム・ニーソン、エイダン・クイン、ジュリア・ロバーツ、アラン・リックマンは揃って弱いが、歴史ものだということで、それぞれのキャラクターにすでに意味づけがされているという点を考慮しなければならないんだろう。で、「面白かったか」、と問われたら、「あまり」と答えるしかない。個々の魅力的なシーンが、シーン独自の力学に沿って動かず、歴史に沿って動くことの不自由さを強く感じた。たとえばGメンの暗殺のシーンなんかはよくできているんだけどね。

 結構ハンディなアイルランド史

2000/5/9

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