奇蹟の輝き

What Dreams May Come

Vincent Ward / Robin Williams,Anabella Sciorra,Max Von Sydow,Cuba Gooding Jr. / 1998

★★

なんとも奇怪な映画ではある

 監督のヴィンセント・ウォードは『ビジル』、『ウィザード』を撮ったニュージーランド人。前作の『心の地図』(未見)から6年が経っている寡作の人である。天国にいるロビン・ウィリアムズが、自殺をしたために地獄に落ちた妻のアナベラ・シオラ(『コップランド』)を助けに行くという話で、天国と地獄の描写が凝っており、アカデミー賞の視覚効果賞を受賞した。

 いろんな意味で「正道」を行く映画ではある。天国と地獄を正面から描いてしまうという無謀な企て(新東宝とか大霊界などというキーワードを思い出す)、夫と妻の深い愛、美しい色、回想シーンの挿入など。うまく行っていれば感動的な映画にもなっていたかもしれないのだが、どこか歯車が狂った感じだった。やはり問題なのは、天国と地獄がどのようなロジックで動いているのかがよくわからないため、「妻のためなら地獄にまで行く夫の献身」にいまひとつ盛り上がりが欠けるということだろう。だいたい、なぜ夫が妻を地獄から救い出せたのかがわからず、結果として救い出せたのだからそれは愛情ゆえだろう、というような後づけの推測でしか納得できないのである。この部分は絶対に映画の力で納得させなくてはならないところで、これに失敗しているのは致命的と言わざるをえない。

 ちなみに、一家4人のうち3人が交通事故で死んでいる(残った1人は自殺)のにハッピー・エンディング。自動車メーカーから協賛金を貰ったとかじゃないだろうな。

 ロビン・ウィリアムズは、あまり感情を表に出さない役柄ゆえに、抑えぎみの演技。ときおり噴出する感情がそれだけ説得力を持った、という感じでもない。このことが、いくつかの重要なシーンの興を削いでいる。一方、アナベラ・シオラは、心の不安定さに苦しむ妻を熱演している。ストーリーを考えれば、どれだけ心が不安定になっても不思議ではないので、かえって出来レースのように思える。ここらへんの設定、夫と妻の性格設定を交換した方がよかったんじゃないか。ちなみに彼女は『ゆりかごを揺らす手』の主人公役が一番有名か。

 その他、天国の住人に、ロザリンド・チャオ(『ジョイ・ラック・クラブ』など)、キューバ・グッディング・Jr(『恋愛小説家』など)、マックス・フォン・シドーが出ているが、いずれも中途半端。

2000/5/12

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