グリフターズ/詐欺師たち

Grifters, The

Stephen Frears / John Cusack,Anjelica Huston,Annette Bening,J.T. Walsh,Pat Hingle / 1990

★★★

散漫な印象

 『プリック・アップ』、『危険な関係』などのスティーヴン・フリアーズの監督作品。マーティン・スコセッシ製作、ジム・トンプソン原作、ドナルド・E・ウェストレイク脚本。公開当時は高い評価を受けたようで、数々の賞を受賞したり、ノミネートされたりしている。

 詐欺師のジョン・キューザック、母親のアンジェリカ・ヒューストン、恋人のアネット・ベニングの三角関係を中心に、なんとも煮えきらないストーリーが展開する。時代錯誤のフィルム・ノワールと言うべきか、フィルム・ノワールから「面白いストーリー」を抜いた心理劇というか、なんと言ったらいいのかよくわからない。面白くないロバート・アルトマンというような表現が一番いいかも。監督も役者も、困難な課題に挑戦して失敗したという感じがある。

 ジョン・キューザック(『コン・エアー』『シン・レッド・ライン』)は、ケチな詐欺師をクールに演じているが、そのクールさが単なる鈍さに見えるのは、この人の致命的な問題だ。アンジェリカ・ヒューストンはちょっと役柄に無理がある。14歳のときにジョン・キューザックを生んだ、「若くて魅力的な女性」という役柄なんだが、どうしてもそういう風に見えない。このため、アネット・ベニングとの三角関係にまったく説得力がない。アネット・ベニングの裸のシーンが多いことが唯一の救いなんだが、なぜこの人がジョン・キューザックに惹かれるのか理解できない。

 この映画でも、ちょっとだけ出演しているJ・T・ウォルシュが良い味を出しており、彼とアネット・ベニングが絡む短い回想シーンが映画全体のなかで一番良かったと言えるかもしれない。メイン・ストーリーとはちょっと毛色の違うコミカルな味つけで、これを映画全体にまで拡大するのは無理な話ではあるんだが。

2000/5/12

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