ファミリー・ゲーム/双子の天使

Parent Trap, The

Nancy Meyers / Dennis Quaid,Natasha Richardson,Lindsay Lohan,Elaine Hendrix,Lisa Ann Walter,Simon Kunz / 1998

★★★★★

非常によくできているファミリー映画

 エーリッヒ・ケストナーの『双児のロッテ』に題材を取った1961年の"The Parent Trap"(『罠にかかったパパとママ』)(見たことあるはずだが、まったく覚えていない)のリメイク。まあ要するに『双児のロッテ』だ。子供向けのディズニー映画である。なのに、泣いてしまったのが恥ずかしい。

 監督のナンシー・マイヤーズはこれが初監督だが、手がけた脚本は次のとおり。『プライベート・ベンジャミン』(1980)、『ペーパー・ファミリー』(1984)、『赤ちゃんはトップレディがお好き』(1987)、『花嫁のパパ』(1991)、『モンテカルロ殺人事件』(1993)、『アイ・ラブ・トラブル』(1994)、『花嫁のパパ2』(1995)。要するにチャールズ・シャイアと組んでおり(夫婦か?)、実際この映画では彼が製作と脚本に絡んでいる。ちなみに私は上記の映画のうち、『花嫁のパパ』、『アイ・ラブ・トラブル』、『花嫁のパパ2』の3つは、1990年代を代表する伝統的コメディ映画だと信じている。この映画は、このラインに沿った傑作の1つだった。

 主人公の双子を一人二役で演じるリンジー・ローハンが素晴らしい。こまっしゃくれた子役演技で、最初のうちは不安だったけれども、そのうちにこれ以外にないように思えてくる。もちろんこれは、30年以上も前のハリウッドの楽天的なコメディの再現なのであるから、変にリアリスティックな演技をされても困るわけだ。そういうわけで類型的な子役演技をするのだが、ときおり見せる自然な動き、特に両親に抱きつくときの動作が妙に魅力的で、ロリコン趣味がない私もこれにはやられてしまった。もちろんそれ以外にも、アメリカとイギリスで育った双子のアクセントの違いをうまく使い分けるなど、きっちりと仕事をしている。

 その他の主要登場人物も見事の一言につきる。父親のデニス・クエイド、母親のナターシャ・リチャードソン、父親の恋人のエレイン・ヘンドリックス(『ロミーとミッシェルの場合』で、ハイスクールのいじめっこ4人組の中の離反者を演じていた人)、父親の家のお手伝いさんのリサ・アン・ウォルター、母親の家の執事を演じるサイモン・クンツ、祖父を演じるロニー・スティーヴンス。

 まあ、もたつくところがないとは言えない(とりわけホテルのシーン。でも、正統的なコメディのシチュエーションに果敢にチャレンジしていると見て、あえて評価したい)。しかしそれ以前に、このナンシー・マイヤーズとチャールズ・シャイアは、根本的なところで映画をわかっているので安心して見ていられる。だいたい、この映画は子供向けなのに2時間以上の長さを持っており、普通だったら1時間半あたりのところで(ストーリー上は)終わっても良さそうなのに、その後もこれでもかこれでもかと言わんばかりに嬉しい展開が続くのである。結末はわかりきっているのに、やたらサスペンスフルな映画だった。

2000/5/22

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