マウス・ハント

Mouse Hunt

Gore Verbinski / Nathan Lane,Lee Evans,William Hickey,Christopher Walken / 1997

★★★

気楽なコメディ映画を求めている人に安心してお勧めできる

 この映画には、冒頭から死んでいる父親を演じたウィリアム・ヒッキーの遺作となったという笑えないエピソードがある。監督はこれがデビュー作で、コマーシャル・フィルム出身らしい(バドワイザーのカエルの広告など)。くどくなりそうなシナリオを、ぎりぎりの線で楽しめる映画に仕上げた力量は注目に値する。

 この映画が面白くなった原因の1つは、主人公であるマウスをそこそこリアリスティックに描いたことにあると思う。人間からの攻撃を受けてインディー・ジョーンズなみの活劇を見せるマウスを、過度に擬人化せず、あまり超人的(超鼠的?)な活躍もさせずに、ある程度のリアリズムの範囲に収めている。見ている間はマウスの活躍が派手でないことに不満を抱いたのだが、あまりこの活躍が凄すぎると『ホーム・アローン』のような非現実感が生じて、かえってしらけたかもしれない。ここらへんのバランスは絶妙だった。

 なお、この映画に出てくるマウスは、いままでに映画に登場した数多の鼠の中で最も魅力的だったと思う。釘を打たれそうになるときの表情や、果物を当てられて気絶したときの姿態などは、ミッキー・マウスよりもはるかにセクシーだった。そう思うと、動物映画としては『ベイブ』に並ぶ傑作かもしれない。

1999/10/4

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