ミッション・トゥ・マーズ

Mission to Mars

Brian De Palma / Gary Sinise,Tim Robbins,Connie Nielsen / 2000

★★

かえってデ・パーマの良さを再確認させられた駄作

 ブライアン・デ・パーマ(『スネーク・アイズ』)は昔から嫌いだったのだが、最近では悪口を言うのも気がひけるほど惨澹たる状況になっている。しかし、この型にはまった、刺激的な要素がどこにもない映画は、かえって安心して見ることができて、彼の映画作り職人としての良い面に改めて気づかせてくれた気がする。冒頭のパーティーのシーン、『2001年宇宙の旅』でおなじみの人工重力が作られた環境内でのなにげないショット、ゲイリー・シニーズが見る昔のビデオ、火星での事故が判明したときの軌道上の基地でのちょっと意外なカメラワークなどが、徹底的につまらない映画にかろうじてスパイスを効かせていた。

 しかしそれにしてもこの映画、どうしようもない。宇宙船に穴が空いたときの対策がないとか、明かされる種が生物学的に納得できないとか、そういう根本的な問題だけでなく、この映画は徹底的なつまらなさを指向して作られているとしか思えないほど鈍い印象を与える。これが意図的なものなのだとしたら、何というか「大作」の雰囲気を出すという目的があったのかもしれない。

 ゲイリー・シニーズ(『スネーク・アイズ』、『アルビノ・アリゲーター』)が珍しく善人の役。ティム・ロビンス(『ナッシング・トゥ・ルーズ』『オースティン・パワーズ・デラックス』『隣人は静かに笑う』)は、なんか普通の中年役者になってきたなぁという感じ。彼の妻を演じるコニー・ニールセンは、『ディアボロス/悪魔の扉』『ソルジャー』に出ていたようだが、記憶になし。どの人も気の毒になるようなセリフを言わされていた。

 2020年、火星に行くのはアメリカ人とロシア人だが、使われるローヴァーにはKAWASAKIのロゴがあった。

2000/6/10

 この映画の生物学的な側面の問題については、「読書メモ」の『ダーウィンのブラックボックス』の項を参照。

2000/11/9

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ