ディディエ

Didier

Alain Chabat / Alain Chabat,Jean-Pierre Bacri,Caroline Cellier / 1997

★★★★★

非常によくできている話

 アラン・シャバの監督・脚本・主演映画。サッカー・チームのマネージャが友人から預かった犬が一晩のうちに人間に変身し、並外れた運動神経を活かしてサッカーで活躍をするという話。人間が犬になるというストーリーはときどきあるが、逆である。

 これは非常によくできている話で、あちこちにある細かい罠を慎重に回避しながら進んでいく大傑作だ。最後のクライマックスに達するまでは。犬から人間に変身したディディエがサッカーの試合をするクライマックスは、下手なハリウッド映画よりも出来が悪く、いったい何が起こってしまったんだろうと戸惑うばかり。そのため、見終った直後の感想は「なんじゃこれ」というものになるのだが、そこまでの出来があまりにも良いため★5つを与えざるをえない。

 そもそも、ディディエ(アラン・シャバ)が自分が預かっていた犬であるということにジャン=ピエール・バクリが気づくシークエンスだけでも5つ星に値する名場面である。しかしそれ以外にも、バクリに「ケツの臭いを嗅ぐな!」と何度も言わせておいて、実際に嗅ぐショットを入れない巧妙さとか、ディディエがチームのオーナーに認められるきっかけとなる事件のあっさりとした処理など、あらゆるエピソードが快調。もちろんジャン=ピエール・バクリ、アラン・シャバ、カロリーヌ・セリエ、イザベル・ジェリナなどの俳優陣がむちゃくちゃ良い。それから、アラン・シャバが演じる犬は映画史に残る。

 すべての映画がこれぐらいセンスが良ければいいんだが。

2000/6/17

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