愛が微笑む時

Heart and Souls

Ron Underwood / Robert Downey, Jr.,Charles Grodin,Alfre Woodard,Kyra Sedgwick,Tom Sizemore,David Paymer,Elisabeth Shue / 1993

★★★★★

幽霊ものの大傑作

 『マイティー・ジョー』のロン・アンダーウッドの落ち穂拾い。これを見逃していたのはまずかった。おそろしく良くできている幽霊もの。私が幽霊ものに弱いということを差し引いても(クレールの『奥様は魔女』、ルービッチの『天国は待ってくれない』、ウォーレン・ビーティとバック・ヘンリーの『天国から来たチャンピオン』は私の映画鑑賞の原点と言ってもよい。もちろん『幽霊と未亡人』も)、これはほんとうによくできている。

 バスの事故で同時に死んだ4人の男女が、ちょうど生まれたばかりの男の子にとりつき、その子が成人してから「お迎え」が来たので、それぞれが最後の願いを叶えるという話。このとりつき方と願いの叶え方に寸分の隙もない強力な脚本と演出。

 とりつかれる男をロバート・ダウニーJr(『追跡者』『相続人』『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』)が演じている。各幽霊が乗り移ったときの演技というおいしいシチュエーションを見事にこなしている。特に息子に抱きつくときの笑顔にやられた。とりつくのは、歌手になりたくてなれないチャールズ・グローディン、息子を残したのが気がかりなアルフレ・ウッダード、恋人の望みに応えられなかったキラ・シジウィック、盗人のトム・サイズモア(『エネミー・オブ・アメリカ』『レリック』)の4人。いずれも完璧。その他、バスの運転手にデヴィッド・ペイマー、恋人にエリザベス・シュー。

 この、幽霊がつねに傍にいる、あるいは乗り移るというシチュエーションからは、他にもいろんな仕掛けが考えられると思う。しかし、この映画ではそういった機会をあまりくどく利用せずに、骨格となるストーリーを猛烈なスピードで進ませていく。このあたりのバランスの良さがこの人の才能なんだろう。名作である。

2000/7/1

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